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プリズム分光式ラインスキャンカメラによる、食品の自由落下式選別システムの向上

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食品の自由落下式光学選別システムには、特有の課題が存在します。一定ではない速度で移動し予測不能に回転する対象物をミリ秒単位で検査することが求められる一方で、最高水準の検査品質と食品の安全性を維持しなければなりません。また同時に、製品表面上の色で判断できる欠陥だけではなく、人間の目では見えない異物や表面下の異常を検出することも、選別システムに対する期待としてより一層大きくなっています。

ここでプリズム分光式マルチスペクトルラインスキャンカメラが、強力な優位性を発揮するのです。

 

課題1:自由落下システムにおけるマルチスペクトルデータの取得

現代の食品選別機の正確な等級判定と不良品除去においては、マルチスペクトルイメージング抜きには語れません。可視光 RGB データは精密な色選別に不可欠であり、近赤外 (NIR) または短波長赤外 (SWIR) によるイメージングは、石、茎、葉などの異物や、打撲や腐敗といった食品の表面下に潜む欠陥の検出を可能にします。

Screenshot 2026-01-09 100653茶葉中の異物

Screenshot 2026-01-09 100709コーヒー生産における欠陥豆

ただし、自由落下環境におけるマルチスペクトル検査の実装は、決して容易ではありません。従来のアプローチでは多くの場合、異なる角度で複数台のカメラを配置する必要があるため、システム構成が複雑になり調整の手間やコストが増大します。カメラ間での同期の問題が検査結果の一貫性を損なう可能性も出てきます。

 

解決策:1 台でマルチチャンネル撮影できるプリズム分光式カメラ

JAI の Sweep+ シリーズプリズム分光式ラインスキャンカメラは、複数のスペクトルチャンネルを完全にアライメントされた単一の光学システムに統合することで、この課題を解決します。

4 枚のセンサを持つプリズム設計を採用したこのカメラは、同時に以下を撮影します:

  • 正確な色選別のための赤、緑、青 (RGB) 画像
  • 異物検出および表面下検査のための近赤外 (NIR) または短波長赤外 (SWIR) 画像

全ての画像データは、1 台のカメラにより同一光軸上で同時に取得されます。これにより複雑な複数台カメラ構成は不要となり、一貫性と再現性の高い検査結果が保証されます。

 

結果:1台のカメラで完全な検査データを取得

単一のマルチチャンネルカメラで検査に必要な全ての波長帯域をカバーすることにより、食品選別機メーカーはシステム設計を大幅に簡素化できます。複数のカメラ、レンズ、調整手順を管理する代わりに、全ての検査データが 同期された 1 本の画像ストリームとして取得されます。

このアプローチにより機械的な複雑さが軽減され、試運転の時間も短縮され、長期的なシステムの安定性も向上します。これは、高スループットが求められる産業環境においては特に重要なことです。

 

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課題2:画像のぼやけとハロー効果

自由落下式の選別システムが抱えるもう一つの大きな課題、それは検査画像の画質です。

対象物は回転したり転倒したり、異なる速度で落下したりするため、輪郭がぼやけていない鮮明な画像を取得することには困難が伴います。複数台カメラによるシステム構成や、斜めからの撮影になるようなシステム構成では、センサ間の視差の違いによりハロー効果 (カラーフリンジや空間的なズレ) が起きて画質を低下させるため、等級判定の精度に影響を及ぼします。

こうしたアーチファクトは、丸い形状や不均一な形状の食品を検査する場合、あるいはカラー画像データと赤外線画像データの間に厳密な空間的相関が要求される検査の場合には、特に問題となります。

 

解決策:単一光学軸

JAI のプリズム分光式ラインスキャンカメラは、単一光学軸を用いて、入射光を個別の波長に分離します。プリズムにより分離された赤、緑、青、赤外それぞれの光は、ピクセルが完璧にアライメントされた 4 枚のセンサへと導かれます。

全てのスペクトル帯域が同一光学面を共有するため、以下のようなメリットが得られます:

  • 視差の問題が排除されます
  • ハロー効果が除去されます
  • チャンネル間の空間的整合性が本質的に維持されます

各センサの各ピクセルは、物体が回転したり異なる速度で落下したりする場合でも、常に同一の物理点に焦点を合わせ続けます。

 

結果:より優れた画像、より正確な選別判定

ハロー効果の発生し得ない仕組みで、優れた色精度と空間精度の検査画像を取得することは、より信頼できる等級判定、不良品除去の精度向上、そして一貫性が維持された製品品質の実現に直結します。

これらのことは食品選別の分野においては、誤廃棄の減少、歩留まりの向上、そして難易度の高い自由落下条件下での自動判定への信頼性の向上を意味します。

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可視光と近赤外検査の完全同期化

JAI Sweep+ シリーズのマルチチャンネルラインスキャンカメラを搭載すれば、検査システムは以下を同時かつ独立して分析可能です:

  • 可視 RGB 光 (400~700 nm)
  • NIR 光 (700~1000 nm) または
  • SWIR 光 (約800~1700 nm)

全てのデータは時間的にも空間的にも完全な整合性を保った状態で取得されるため、アルゴリズムがそれらのスペクトル情報を統合し、正確な検査結果の判定をリアルタイムに下すことを容易にします。

 

高性能ラインスキャン用途向けに設計

プリズムベースのラインスキャン技術は、食品の自由落下選別のような高速連続検査タスクに特に適しています。Sweep+ シリーズは光学選別機の厳しい要求を満たすよう設計されており、信頼の置ける性能と高画質、そしてよりシンプルなシステム統合を実現します。

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マルチスペクトル撮像、ピクセルの精密なアライメント、シングルカメラアーキテクチャの組み合わせにより、プリズムラインスキャンカメラは次世代の食品選別システムに向け、堅牢かつ将来を見据えたソリューションを提供します。