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JAI Sweepシリーズカメラで実現する病理スライドの高速・高精度デジタルスキャン

作成者: JAI|7月 30, 2026

病理学は、病気の診断や治療方針の決定に必要な情報を提供する重要な役割を担っており、いわば現代医療の中核とも呼べるものの一つです。 病理医は細胞や組織のサンプルを顕微鏡で観察して異常の有無を見極め、組織が健康なのか、それとも病変があるのかを判断します。 

彼らの診るべき検体数が絶えず増え続けている中、検査効率の向上、遠隔での連携作業、AI診断支援の強化などに欠かせないツールとして、デジタルパソロジーの重要性が高まっています。今までは手作業で顕微鏡検査するしかなかった病理スライドを、高解像度の画像としてデジタル化し、閲覧、共有、分析もデジタル上で可能にする、それがデジタルパソロジーです。 

ただし、デジタルパソロジーには色々と利点もある一方で、病理スライドのデジタルスキャンには複数の技術的課題が存在しています。大量の検体を扱うに充分な処理速度を維持しつつ、高画質であることも実現しなくてはなりません。また、わずかな色の誤差でも診断結果に影響し兼ねないため、正確な色再現が不可欠です。さらに、高速スキャン中のモーションブラーやピントずれは画質を低下させ、診断結果の信頼性を損なう恐れがあります。 

つまり、主な課題は以下の通りです。 

  • 処理能力の高さ:大規模な病院や検査施設では、何百枚、何千枚にも及ぶ病理スライドを毎日毎日デジタル化するため、信頼性の高い画像を高速で取得することが求められます。 

  • 色再現の正確さ:病理医は検体を評価する際、組織の色や染まり具合の微妙な差異を判断材料としているため、一貫性のある正確な色再現が不可欠です。 

  • 高速スキャン時の画質:連続スキャン中にモーションブラーやピントずれが発生すると、画像の鮮明さが損なわれ、診断を下すうえで重要な細部が見えにくくなる可能性があります。 

デジタルパソロジー向け JAI Sweep シリーズ 

病理スライドのデジタル化に必要とされる高い要件を満たすため、JAI では当社の高速トライリニア式ラインスキャンカメラ Sweep シリーズをベースとした、スキャンソリューションを開発しました。このシステムでは、高精度モーションステージと顕微鏡対物レンズ (20倍、または40倍) を当社のカメラと組み合わせることにより、卓越した色精度の画像を、高速かつ高解像度で取得することが可能です。 


大量の検体を扱うワークフロー向けに設計されたこのソリューションは、画質を犠牲にすることなく、スライドを迅速にデジタル化します。正確なRGB色再現、高速スキャン、高い空間分解能の組み合わせによって、オリジナルの標本を忠実に反映したデジタル画像の獲得と、効率的で高い処理能力を備えた施設運用の両立を実現します。 

Sweep シリーズのカメラは、明視野観察、蛍光観察、そして新たに広まりつつある三次元解析など、様々な病理検査システムに適しています。また、臨床診断、遠隔病理診断、医学研究などのほかにも、様々なデジタルシステムに組み込むことが可能です。 

主な利点 

正確な色再現 

検体組織の染色度合いの微妙な差異が病理所見を左右するため、デジタルパソロジーでは色の正確性が何よりも重要です。JAI のトライリニア式 RGB イメージング技術は、赤、緑、青の各チャンネルを独立して取得し、精緻な補正機能を用いて色再現性を最適化します。得られたデジタル画像は、病理医が実際に顕微鏡でスライドを観察した際の見え方とほぼ同一なため、微細な細胞構造の識別が容易で、色の不正確さに起因する診断ミスのリスクも低減します。 

高スループット 

最新の病理検査施設には、画質を損なうことなく大量のスライドを素早くデジタル化する処理能力が必要です。JAI Sweep シリーズのカメラは最大 66 kHz のラインレートに対応し、スライド全体の連続高速スキャンが可能です。また、高精度モーションステージとの連携で画像データを効率的に取得し、継ぎ目のないスティッチィング画像を生成できるため、スキャン時間が短縮され、大量処理の迅速化に貢献します。 

高解像度 

カメラは 4K ラインスキャン解像度と 7.5 µm 角のピクセルによって検体の微細なディテールを撮像し、病理検査用画像に求められる高度な要件に応えます。20倍または40倍の顕微鏡対物レンズと組み合わせることで、マイクロメートル単位からサブマイクロメートル単位の空間分解能を実現し、スキャン速度を下げることなく、細胞組織の極々小さな特徴までも鮮明に描写します。 

明視野病理検査画像                            蛍光病理検査画像                               三次元病理検査画像

性能を支えるカメラ 

このスキャンシステムの心臓部となっているのが、JAI のトライリニア式高速ラインスキャンカメラSW-4000TL-PMCLです。このカメラは要件の厳しいカラーイメージング用に設計されており、最大ラインレート 66 kHz での24ビット RGB 出力を実現しています。高速での画像取得と卓越した色精度を両立した、デジタルシステムに最適のモデルです。 

実際にこのカメラは、スピード、画質、信頼性の全てが優れている点が評価され、複数のデジタル病理検査システムメーカーから、装置のコンポーネントとして採用されています。 

4Kカラーイメージング 

SW-4000TL-PMCLは、トライリニア式 CMOSセンサ搭載の RGB カラーカメラで、4Kラインスキャン解像度 (RGB各4096ピクセル) のフルカラー画像を 1 回のスキャンだけで取得可能です。高度なサブピクセル補正や傾き補正機能も備えており、より一層の画質向上が図られています。 

高速取得 

SW-4000TL-PMCLは、最大66,000ライン/秒のラインレートで、画質を損なうことなく病理スライドを高速デジタル化できます。また、GenICam準拠のCamera Linkインターフェースを介した 8 ビットおよび 10 ビット出力で、大容量かつ多量の画像データを安定して高速転送できるため、常に高い処理能力を求められる病理検査ワークフローの維持に貢献します。 

高感度 

SW-4000TL-PMCLは、優れた感度と高いS/N比により、低照度環境下でも鮮明な画像を取得できます。また、同期および順次でのマルチチャンネル取得に対応しているため、微弱な蛍光シグナルを正確に検出する必要がある蛍光イメージングにも適しています。 

システム組み込みが容易 

SW-4000TL-PMCLは、各種の測定・検査機器への組み込みを前提に設計されており、消費電力が低く、ボディは重さがわずか 410 g という軽量かつコンパクトな仕上がりです。設置スペースが小さくて済むため、デジタルパソロジー分野の様々なシステムに容易に組み込むことができます。 

まとめ 

臨床診断や医学研究においてデジタルパソロジーの普及が進む中、画像処理システムには、高画質を維持しつつ、高い速度と精度と信頼性とを兼ね備えていることが求められています。次世代型デジタルパソロジーに不可欠とされる画像処理の性能をもれなく備えた JAI Sweep シリーズのトライリニア方式ラインスキャンカメラは、病理検査ワークフローの効率化や医療現場での診断精度向上に貢献するシステムの開発をお考えの装置メーカー様を支援できる、強力なコンポーネントです。