JAI Blog

多板式プリズム分光ラインスキャンカラーカメラを選択すべきケース

作成者: JAI|4月 15, 2019

貴社の装置でカラー画像処理の効果を最大化するカメラを選択する場合、まずはエリアスキャンカメラとラインスキャンカメラのどちらが最適な選択肢であるか決める必要があります。カラーラインスキャンカメラの性能と柔軟性が必要であると判断した場合、次にカメラ方式を検討します。トライリニア式カメラとプリズム分光式カメラの2つの選択肢があります。本ブログでは、どのような場合に多板式プリズム分光カメラが最適な選択肢となるかについて解説します。プリズム分光式のラインスキャンカメラはトライリニア式同様に3本のラインでRGB情報を取り込みますが、異なるのは3つのラインセンサを使用する点です。3つのセンサはプリズムに取り付けられ、同一の光軸によって捉えることができます。つまり、トライリニア式カメラのように3ラインを順次取り込むのではなく、3つのセンサが被写体上の同一のラインを同時に取り込むことができるのです。プリズムにはダイクロイックコーティングが施されておりますので、R/G/Bの各帯域に分離された入射光がR/G/Bそれぞれのセンサで個別に受光され、ライン上の画素ごとにきわめて正確なRGB値として取り込まれます。

多板式プリズム分光ラインスキャンカメラが最適な選択肢となるケースとは?

  • 最高水準の色再現性が要求される場合:R/G/B各波長へ分離するために使用されるダイクロイックプリズムコーティングは、トライリニア式カメラのポリマーフィルタに比べるとより正確に光を分離することができます。そのため、カラーチャネル間のクロストークが軽減され、特にスペクトル帯が重複する領域において色再現性は大きく向上します。
  • 傾けてカメラを設置しなければならない場合、またはコンベヤの搬送速度が変動する場合:トライリニア式のカメラの場合、傾けて設置するとライン同士の位置のずれでハローが発生したり、またコンベヤの搬送速度が可変するとラインごとの露光の同期が難しくなるなど問題が生じる可能性があります。一方プリズム分光式カメラは単一光軸のため、1本のラインを撮像し内部でラインを分離します。したがって、被写体に対して相対的に傾斜した位置にある場合でも被写体との距離は単一で、傾斜によって各ラインの長さに違い(キーストーン効果)が生じるトライリニア式カメラとは対照的です。同様に、プリズム分光式カメラはR/G/B各ラインの情報を同時に取り込むため、トライリニア式カメラとは異なり、速度の変動が小さければ取り込まれるカラーデータの品質に影響はありません。

貴社の装置用途に適したカラー画像処理向けカメラ選びに迷ったら…
ぜひ「Tech Guide: カラーイメージング」を参考にしていただき、貴社の装置用途に最適なカラー画像処理向けカメラを選択しましょう。

  • 被写体表面が波打っている場合や被写体の向きが変化する場合:トライリニア式カメラでは、ロール状やシート状の紙の小さなうねりが大きな問題を引き起こす可能性があります。うねりによって、3本のラインそれぞれでの被写体の見え方が変化して、画素オフセットやカラーフリンジが生じるためです。また、3次元の対象物が転がったり、わずかに動いたりしている場合も、同様の現象が生じます。この場合は、トライリニア式カメラの3本のラインそれぞれで対象物の向きがわずかに変化するからです。プリズム分光式のラインスキャンカメラは光軸が単一で、各センサの個々の画素が焦点を合わせるポイントは常に同じになるため、対象物の起伏や動き、回転にかかわらず鮮明な画像を確実に取得でき、このような問題は回避できます。
  • ホワイトバランスや色補正をより細かく設定したい場合:プリズム分光式のカメラでは、3枚のラインスキャンセンサそれぞれの露光を個別に調整できます。トライリニア式カメラのようにホワイトバランスをゲインで調整する必要はなく、露光で調整することが可能なため、低照度では非常に有利です。ノイズを極限まで抑えることが求められる用途の場合、高感度であり、なおかつ露光でホワイトバランスを調整できるプリズム分光式カメラは、とてもよい選択肢でしょう。
  • 長く安定動作させたい場合:ダイクロイックプリズムコーティングは、トライリニア式のポリマーフィルタよりも光透過率が高いなど、長期にわたる安定性の面でも優れています。光透過率が高いため、プリズム分光式のシステムでは、低照度の光源(多くの場合低コストです)を利用しても良好な露光を得ることができます。トライリニア式のシステムで同レベルの露光を得るには、多くの場合より高照度の照明が必要になります。コストの増大につながるだけでなく、カメラのカラーフィルタの劣化が早まる一因にもなります。

多板式プリズム分光ラインスキャンカラーカメラが有効な用途の例

以下は、Sweep+シリーズのプリズム分光式カメラが特に適した用途例です。


ボトルや缶、ペンなどの円筒容器の360度非破壊ラベル検査に。


ゼリービーンズの色による選別や品質検査に。


紙幣の印刷検査に。


色や木目による選別、ラミネート加工品やその他フローリング材の色検査に。


にんじん、じゃがいもなどの野菜の選別や品質検査に。


オリーブ、ナッツの選別や品質検査に。


廃棄岩からの有用鉱物の分離や検査に。


リサイクル、廃棄物処理における選別や検査に。


鉄鋼や金属板、硬貨の検査に。