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臨場感あふれる没入体験を!VRライブ映像用マシンビジョンカメラ

作成者: JAI|4月 14, 2020



仮想現実(VR)によって描かれる世界は、少し前ならSF小説や映画の中だけのものでしたが、すでに現実のものとして、科学技術分野などの最先端技術を用いる領域で活用され始めただけでなく、インタラクティブゲーム、データ連動型のスポーツ放送、ビデオ会議、教育分野、スポーツ・トレーニング、ライブ・コンサートなど、日常的な場面でも浸透し、人々の生活に広く利用されるようになりました。

皆さんの中に音楽を愛するファンの方がいれば、ライブ会場でほかの観客に押しのけられたり、前席に陣取る背の高い観客によって絶好の視界を遮られてしまったりして、ステージにいるアーティストの姿がよく見えなかったという経験があるかもしれません。屋外フェスでは、ステージ直前に群がる大勢の観客や騒がしさを避けるために、敢えて芝生エリアやステージ裏のベンチで座って楽しむ方が良いと考えるファンも多いようです。でもそれではアーティストのパフォーマンスの一挙手一投足まで見ることはできませんし、アーティストがステージ近くのオーディエンスだけにアイコンタクトしてくれるなど、ライブならではの特別な体験を得るチャンスを自ら手放してしまっているとも言えます。こうした瞬間こそ、ライブイベントによって体験できる最高の瞬間であるはずなのに。

2001年から2018年にかけて音楽業界の収益は大幅に落ち込み、音楽業界が半ば崩壊しているという見方がされることもあります。これはまず違法ダウンロードやリッピングの普及によるCD販売の落ち込みに端を発し、音楽視聴にサブスクリプション型サービスが導入されたことも徐々に影響してきました。新たな収益モデルを追求するアーティストやレーベル各社が、改めてライブ・コンサートに注力し始めたのは必然で、毎年、世界中で数千・数万というイベントが開催されています。しかしどんなにコアなファンであっても、大好きなアーティストが出演するすべてのイベントに参加することは不可能です。お金の面でもスケジュールの面でも。

そしてライブ・コンサート自体が抱える根本的な課題は、参加できる人数に自ずと限りがあることです。これもまた、音楽ファンがお気に入りのアーティストをライブで見ることを難しくする要因です。こうした音楽業界の状況と課題を、最近はVRシステムによって解決しようという動きが出てきました。現在では、世界中のファンが自宅のリビングルームに居ながらにして、まるでステージの最前列でコンサートを見ているようなライブ体験を味わうことができるようになり、そこにはVRを活用したイベント映像収録が重要かつ当たり前の存在となっています。

VRライブは、音楽業界と音楽ファンの両方にとってメリットがあるコンテンツであり楽しみ方です。音楽業界にとっては、チケットを購入して実際にコンサートに行くオーディエンスだけでなく、これまでチケットを入手できなかった人や、好きなミュージシャンであってもコンサートに行ってまで演奏を見たいわけではないと思っていた人など、すべての人を収益の対象とすることができますし、ファンにとってVRによる映像は、アーティストの生の姿が見られる醍醐味とライブならではの非日常感に、録音された音楽の持つ再現性とアクセシビリティ、つまり何度でも繰り返して視聴できるという楽しみ方をもたらしてくれました。VRにより「生演奏」と「録音された音源」の両方の長所を組み合わせた新しいコンテンツの楽しみ方が形作られたと言えます。

ライブ映像のVR収録を実現する上でも、カメラが重要な役割を担っており、ハイエンドカメラを駆使した、さまざまな角度から撮影されたコンサート映像が収録されるようになっています。複数台のカメラで同時収録された映像を編集・合成して「録画コンテンツ」として楽しむのはもはや当たり前ですが、こうしたライブ画像は、今ではほぼリアルタイムで後処理されますので、遠隔地にいる視聴者がパブリックビューイングのようにコンサートを視聴でき、またその際に自分の好みの位置や角度に視点を切り替えることまで実現できるようになりました。最前列から見たり、パーカッション奏者・ギタリスト・ピアニストといった特定の演奏者だけを集中して見たり、ステージ上から観客席側の様子を見るなど、従来のライブDVDが提供している映像をはるかに凌ぐ没入体験を提供してくれます。あえてライブイベント会場には足を運ばず、こうした視聴方法で楽しむファンも出てくることでしょう。

ディスプレイの観点から見ると、スポーツビジョンシステムと同様に、水平方向のピクセル解像度がVR映像の品質を高めるための大きな要素です。ここでいう解像度には、実際の解像度と、実際より高いまたは低いRAW画像フォーマットから補間されて得られたもの、という2つの意味があります。

水平解像度4K映像は、かなり以前からすでにVR映像収録に使用されており、ピクセル数としては4096×2160、「Ultra HD」と呼ばれています。ビデオストリームを4KからHD解像度までダウンコンバートしたとしても、最初からHD解像度で収録した映像よりも鮮明でクリーンであることは、すでにほとんどのテレビ放送局が、HD解像度でしか放送できないにも関わらず4Kのカメラや4Kの番組制作システムを導入していることからも立証されています。4Kのような高解像度で撮影することにより、映像編集者が画像を拡大処理するような場面でも、情報を失うことなく加工・編集することができます。

さらに「Super HD」とも呼ばれる8K解像度で収録された映像なら、2倍に拡大しても4K画像と同等の高い解像感を維持しています。ただ現在はまだ、カメラだけ8K解像度で収録しても、VRシステム全体がリアルタイムの8K処理を実現することが難しいため、全編8KVRライブ映像が実現するまでは、技術進歩を待たなければいけない状況です。ほとんどのVR映像収録システムは、パノラマビューや半球ビューを多用して、広角視野を視聴者に届ける前提で撮影されていますので、ライブ・コンサート中のリアルタイムによるタイリング処理やステッチング処理による機器の処理負荷増大が、システム全体のハングアップにつながるリスクを軽減するギリギリの高解像度を求めなければならず、それがいまの技術では4Kによるコンテンツ制作だからです。

タイリングやステッチング処理をまったく用いずに、こうした超広角撮影を実現する方法として、魚眼レンズを使うという選択肢もあります。長方形のセンサを搭載したカメラと魚眼レンズを組み合わせる場合、イメージサークルはセンササイズより小さくなくてはなりません。現在、8K解像度を持つセンサが、焦点距離4.3mmの魚眼レンズとの組み合わせによって実現できる水平解像度が5324ピクセルです。高品質なまま画像を処理し、また映像編集時も拡張性を有したピクセル数として、視野1度につき21ピクセル以上を有しているのが理想とされますが、5324ピクセルあれば画角としては250°の超広角視野を実現していることになります。(逆補間を用いることで、「魚眼映像」から「水平画面」に戻して実現します。)

当然ながらカメラの解像度が高ければ高いほど、逆補間された場合でもリアルな8K解像度に近づけることができますが、常に意識しておくべき点として、実写映像であることを忘れてはなりません。現在のテレビジョン受像機やVRゴーグルなどでは、表示フレームレートとして毎秒30フレーム(NTSC方式のテレビ放送圏)、または毎秒25フレーム(PAL方式のテレビ放送圏)というスタンダートに則ったコンテンツである必要がありますので、少なくともカメラにも30fps25fps以上の撮像・出力レートを維持することが求められます。これを実現できるVRライブ映像収録用カメラの選択肢はまだ限られているのが現状です。

そしてVRライブ映像収録に利用できるカメラが備えておくべき最後の要件として、低ノイズかつデータ欠損することのない信頼性の高い画像データを、長距離に渡って伝送できることも挙げられます。コンサート会場はたいへん広く、ステージや客席から離れた位置にカメラを配置する場合があります。長距離伝送や屋外環境に対して強く、ケーブルの取り回しも比較的容易で、信頼性の高い出力インタフェースとして、CXPインタフェースやSFP+などの光インタフェースが広く知られていますが、JAISPARKシリーズなら、こうした諸条件をすべて兼ね備えた8Kカメラがラインナップされています。


詳しくは:

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