カラー画像処理向けマシンビジョンカメラの利用でメリットが得られる用途

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より優れた色の判別性と高い生産性を実現するために、カラー画像処理を必要とするマシンビジョン用途はますます多くなっています。それにより、マシンビジョン用途におけるカラー情報の利用は、この10年で著しく増えています。本ブログでは、カラー画像処理の重要性と最もメリットが得られる技術分野について解説します。

増え続けるカラーマシンビジョンシステムの利用

現在もモノクロのみで動作するマシンビジョンカメラが大半であるものの、カラー画像処理が必須であり、それがきわめて大きなメリットとなる用途も増え続けています。

ここ数年、カラーマシンビジョンシステムを利用する分野は大幅に増え、性能も飛躍的に向上しています。そしてそれに伴いカラー画像処理を支えるカメラ技術とアルゴリズムもまた、着実に進歩しているのです。

食品、印刷、包装、電子機器、半導体、医薬品の検査など、多くの用途でカラー画像処理が要求されています。これらの用途では、対象物をより確実に判別するためにカラー画像処理が必須となっているのです。

貴社の装置用途に適したカラーカメラ選びに迷ったら…
ぜひ「Tech Guide: Color Imaging: カラーイメージング」を参考にしていただき、貴社の装置用途に最適なカラー画像処理向けカメラを選択しましょう。

マシンビジョンカメラにおけるカラー画像処理の利用に最適な用途とは?

前述のように、マシンビジョンにおけるカラー画像処理の利用により、さまざまな用途で大きなメリットが得られます。そのカラー画像処理用途は、大きく分けて3つあります。貴社の画像処理にとっても大きな価値をもたらすか見ていきましょう。

  • 色検査: 着色製品の欠陥分類や形状検査に利用されています。検査プロセスを最適化する追加データを提供するカラー画像処理は、さまざまな検査においてきわめて重要です。
  • 色による選別: マシンビジョンによるカラー画像処理は、色による仕分けにも利用できます。形状やバーコードなどで仕分ける方法よりも容易に、よく似た対象物の等級を判別したり、分類したりすることが可能になります。また、特定の対象物の種別を判定するのにも利用されます。例えば、サクランボやリンゴなど、果物の成熟度を色味で選別する場合に有効です。
  • 色の検出と照合: 色の検出を行うためには、カメラが捉えている色が何色であるかをカメラに指定する必要があります。カラーマシンビジョンの画像処理ソフトはカメラから得られるデータを利用するわけですから、ホストコンピュータで最初に必要となるのは、画像内のピクセル分布やブロブ(画素の塊)を色・明るさのレベル別にグラフ化したヒストグラムに対して、ターゲットとなる参照色値を紐づけることです。それによって、画像処理ソフトは検査対象物の色値と参照色値とを比較できるようになります。この照合処理を利用すると、例えば印刷物の色味が規定のコーポレートカラーと一致しているか、自動車のサイドミラーとドアの色が一致しているかなど、多くの検査用途に適用できます。