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カラー画像処理で生じる主な課題

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多くのアプリケーションでは、対象物の検査や識別にカラー画像処理を必須としています。主要な用途は大きく分けて、カラー検査、色による選別、色の検出と照合の3つに分類することができるでしょう。カラーマシンビジョン装置でどこまでの精度が出るのか?あるいは、その精度で求められる検査水準をクリアできるのか?それを見極め、正しい設計をするためには、押さえておくポイントが3つあります。

色再現性

マシンビジョンのカラーカメラは、被写体からの反射光や周りの拡散光により生成される画素ごとのデータをホストコンピュータへ提供します。例えば2台のカメラがあり、どちらのカメラでも要求を満たす水準の画像が生成できる場合でも、個々の画素値はカメラの種類や特性、世代によって異なる可能性があります。本当に正確な色値は、研究施設の規定照明条件下で専用の特殊な装置で測定しなければなりませんが、目標はその値に最大限近づけることでしょう。

色の判別

用途によっては、ほとんど同じ色の微妙な差異をマシンビジョンのカメラで識別できることが不可欠になります。例えば、何枚かの革を使用して財布やジャケットを作る場合、1つの製品に使われるすべてのパーツが同じ色合いであることが重要です。色合いが異なるパーツは、その色合いで一致させて別の個体に使用することはできますが、1つの製品にわずかでも色合いが異なるのものを混ぜて製造することは許されません。正確な色値を得られるシステムが大事な理由は、このように色を判別する精度を確保するためなのです。

繰り返しますが、高いレベルの判別性を実現するには、正確な色情報を得ること、そして判定を繰り返しても同じ精度が得られることが重要です。低照度下では色値がより狭い範囲に集中するため、特に難しくなります。カラーカメラの感度が高くなるにつれ、逆に感度が高いゆえに生じる課題もあるものの、色再現性に関してはカメラの高感度が有利に作用します。

JAI-Color-Machine-Vision-Inspection-in-Pharmaceutical一例として、色の正確さ/色の区別は、例えば製薬産業における錠剤のマシンビジョン検査において非常に重要です。

貴社の装置用途に適したカラーカメラ選びに迷ったら…
ぜひ「Tech Guide: Color Imaging: カラーイメージング」を参考にしていただき、貴社の装置用途に最適なカラー画像処理向けカメラを選択しましょう。

カラーカメラの空間分解能

モノクロ用途と同様に多くのカラー用途でも、画像の細部を識別する必要があります。例えばバーコードやQRコードの読み取り、対象物の形状測定、位置決めなどを行う場合にも、対象物の輪郭を正確に捉えなければなりません。

カラーフィルタアレイで得たデータからベイヤー補間演算を用いてカラー情報を取り出す一般的なカメラの場合、演算で色値を推定した結果として輪郭にぼやけ、にじみが生じます。こうした輪郭情報の喪失は高画素のカメラを利用することで許容範囲内に収められる場合も多くあるでしょう。しかし一方では、高い色再現性と空間分解能を確保しなければならないアプリケーションも増えており、その場合はプリズム分光式カメラの利用が有効な選択肢となるでしょう。