ウェハーOCR読み取り技術を再定義するJAI Go Xシリーズカメラ

Wafer OCR reading

電子・半導体業界で、精度の高い製品をつくるには正確な処理が前提条件です。台湾に本拠を置き、マシンビジョンディストリビュータでカスタムプロジェクトのシステム設計を行っている Leader Vision 社は、安定したウェハー製造のため、JAI GOX-2402-PGE カメラを使用したウェハー用 OCR(光学式文字認識)システムを開発しました。

この度、Leader Vision代表の蔡明洲(ミングジョー・ツァイ)氏に、JAI GOX-2402-PGEカメラを組み込んだ、新しいウェハーOCR読み取りシステムについてお話を伺いました。以下はそのハイライトです。

JAI: 御社と新しいウェハーOCR読み取りシステムについて簡単にお聞かせ下さい。

蔡明洲(MJT): Leader Visionは、台湾の大手マシンビジョン販売代理・システム設計会社です。弊社の新しい組み込み型ウェハーOCR読み取りシステムは、すべての必要なインターフェースと機能を小さな設置面積内に統合しており、業界最高水準の速度と安定性で、信頼性の高い正確なコードレコグニションを保証します。

JAI: 以前のシステムにおける課題は何でしたか?

MJT: ウェハーOCR読み取りシステムでは、反射するウェハー表面にレーザーでコードを書き込むため、従来のシステムでは、固定仕様の標準的な製品用に設計されており、顧客がカスタマイズを望む幾つかの機能 (OCV、データやバーコードの読み取り、将来のシステムのための対象物のアラインメントなど)において十分にフレキシブルでなかったため、その成果は満足なものではありませんでした。

codes lasered on reflective wafer surfaces

反射するウェハー表面にレーザーで印字されていたコードは、識別や読み取りが困難
 

また、既存のウェハー製造装置に簡単に組み込める、軽量でシンプルな構造も求められましたが、これまでのシステムにはそのような互換性や適応性が欠けていました。

JAI: JAIのGOX-2402-PGEカメラが顧客の要望に最適であると判断された理由をお聞かせ下さい。

MJT: このカメラは、以前からあった問題を解決するだけでなく、その豊富な機能がさらなるメリットをもたらしてくれました。1つは、GigE Visionインターフェースで最大50fps・2.3メガピクセルのベイヤーカラー出力が可能なGOX-2402-PGEが、弊社のシステムに最適な解像度であったということです。

1秒間に平均20〜30個のコードを認識できるスピードも、このカメラの長所です。さらに、安定性が高く、産業用としての信頼性も考慮した上で、このカメラを選びました。さらに、この最先端の組み込み型ビジョンシステムは、MVTec Software GmbHの画像処理ソフトHALCONのDeep OCR機能を使用しています。これにより、お客様のシステムでMLに対応した信頼性の高い結果を得ることができます。

圖3

既存のウェハー製造設備に簡単に組み込める、軽量・シンプル構造

 

GOX-2420-PGEのコンパクトさは、クリーンルーム環境はスペースに制約があるため、 多い電子・半導体メーカーにとって大きなメリットとなります。そして、このカメラは62gと非常に軽量です。

製造工程の中で、すべてのウェハーを確実に識別・読み取り・トレースすることは重要な作業なので、このJAIカメラはそのための最適なソリューションと言えるでしょう。

GOX-2402-PGEをシステムに組み込むことで、アプリケーションの安定性・正確性・柔軟性が向上するのです。

 

JAI : アプリケーションの柔軟性とおっしゃいましたが、これについてもう少し詳しくお聞かせいただけますか?

MJT:もちろんです。弊社のシステムの柔軟性は、カスタマイズ性から生まれるものです。組み込み型ビジョンテクノロジーは画一的なものではなく、顧客のさまざまなニーズに対応できるような汎用性のあるシステムであることが必要です。弊社はこの点に着目し、ソースコードを含むシステム全体を顧客のエコシステムに移行できる、俊敏性と適応性に優れたソリューションを開発しました。これにより、顧客の設計・生産工程に高い柔軟性をもたらすことが可能となりました。

JP_2JAI_Asia-Leader-Vision-Infographics-012722JAI : 価格についてはどうでしょうか?このカメラの価格性能比が功を奏したのでしょうか?

MJT: GOX-2402-PGEの価格性能比は目を見張るものがあり、コストパフォーマンスの良さが合理的な価格設定に繋がりました。これにより、優れた製品をお手頃価格で提供できるようになりました。

JAI : マシンビジョン技術を導入する事例が大幅に増えましたが、その最大のトレンドについてお話いただけますか?また、Leader Visionとしては、それをどのように活用していくのでしょうか?

MJT: 現在のマシンビジョンは、3D検査、組み込みシステム、ビジョン誘導型ロボットなどによく使われています。Leader Visionには、このようなハイエンド・アプリケーションに必要な知識とノウハウを持つ優秀なエンジニアがいます。また、弊社の研究室には、新しい技術を顧客にお見せするための精密なモーションコントロールとロボットアームが設置されています。

最先端の技術を常に取り入れていくことは、私たちの戦略的優先事項です。このことにより、ハイエンド機器の統合や開発で顧客をサポートするおとが可能になりました。

JAI : 急速に拡大しているLeader Visionの今後の展開についてお聞かせいただけますか?

MJT: はい、もちろんです。弊社は、事前計画の段階を早く進め、最新のビジョンアプリケーションをグローバルに同期させる体制を整えていく所存です。これにより、顧客が弊社の完全なシステムプログラムアーキテクチャの恩恵を無料で直接受けたり、開発時間を短縮して失敗のリスクを回避したりできるようになるのです。JAIのカメラをシステムに組み込めば、それが可能になります。

JAI : 最後の質問です。JAIとLeader Visionのパートナーシップについてどのようにお考えでしょうか?

MJT: パートナーシップは、付加価値を生み出すことによって最大の効果を発揮します。JAIとLeader Visionのコラボレーションはまさにそうでした。弊社の能力が向上し、アプリケーションに真の価値を付加して顧客に大きな利益をもたらすことができたからです。

このパートナーシップは「技術革新を通じて優れた製品を提供する」という共通の使命と目標のもと、今後さらなる高みを目指し、台湾における製品の認知度を高めていくものと確信しています。

JAI GOX-2402-PGEの詳細についてはこちらの動画をご覧下さい