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JAI、Apex シリーズに3機種の5.1メガピクセル3-CMOSプリズム分光式カメラを追加

作成者: JAI|10月 21, 2025


JAI
は、3-CMOSプリズム方式の産業用エリアスキャンカメラ「Apexシリーズ」に、新たに5.1メガピクセルモデル3機種を追加しました。これにより、既存の1.6メガピクセルおよび3.2メガピクセルモデルを含むApexファミリーは、合計10種類のカメララインアップとなります。新モデルは、CoaXPress、Mini Camera Link、5GigE Visionインターフェースを搭載しており、既存の10GigE VisionおよびUSB3 Visionインターフェースを補完します。 
 
新モデル AP-5100T-CXPA、AP-5100T-MCL、AP-5100T-5GE は、ソニー製Pregius IMX548裏面照射型センサを3搭載。3 × 5.1メガピクセルでそれぞれ最大75fps、55fps、32fpsを実現し、優れた解像度と高速性能を兼ね備えています。これにより、要求の厳しいマシンビジョンにおけるカラーアプリケーションに対し、卓越した品質と生産性を提供します。 

Apexシリーズパンフレットをダウンロード

既存のApexカメラと同様に、新モデルもJAI独自の先進的なプリズムベースイメージング技術を採用しています。 
精密設計されたハードダイクロイックフィルタと急峻な分光カットオフにより、入射光を赤・緑・青の各チャネルに分離し、高精度で位置合わせされた3個のCMOSセンサで個別に受光します。この方式により、混色をほぼ完全に排除し、より忠実で鮮やかな色再現と優れた空間精度を実現。微細なディテールまで鮮明に映し出すことが可能です。 

既存のApexモデルに搭載されている高度な機能例えば、ピクセルビニング機能、シングル/マルチROI機能、自動レベル調整機能、シーケンサ機能、カメラ内色空間変換機能チャネルごとの露光制御機能に加え、新モデルにはJAI独自の強力な Xscale機能 を搭載。これにより、サブピクセル単位での画像スケーリングが可能となり、さらにカメラ内倍率色収差補正機能によりレンズ由来の歪みを最小限に抑制します。 

 Xscale機能 

アプリケーション要件に応じてピクセルサイズ、感度、解像度を最適化するサブピクセルスケーリング機能です 

従来のビニングが1×2、2×1、2×2といった整数単位の組み合わせに制限されるのに対し、Xscaleは浮動小数点値に対応。これにより整数ピクセルと小数ピクセルを組み合わせ、必要に応じて仮想ピクセルを精密に生成できます。その結果、ピクセルサイズ、解像度、感度、S/N比のバランスを柔軟に調整でき、他にない自由度を実現します。 

カメラ内倍率色収差補正機能 
すべてのカラーチャネルで完全な空間的アライメントを実現するために、Apex 5.1メガピクセルモデルには高度な倍率色収差補正機能を搭載。チャネルごとに倍率を調整でき、レンズによる分散効果を補正します。これにより、より鮮明で高精度な画像を提供し、精密測定、欠陥検出、マルチスペクトル解析といった用途において大きな効果を発揮します。 

複雑なトリガシナリオに対応する柔軟な Opto I/O 
4つのOpto 入力と4つのOpto出力を備え、複雑な検査システムにシームレスに統合可能。これにより、複数のカメラ、光源、モーションコントロールデバイスを連携させた高度なトリガ方式を構築でき、マルチスペクトルワークフローにおける各照明ステップを正確に同期させます。 

信頼性を支える堅牢設計 
過酷な産業環境向けに設計された新しいApexカメラは、耐衝撃性50G・耐振動性3Gを備えた堅牢な筐体を採用。さらに、動作温度範囲-5°C〜+45°Cに対応し、厳しい条件下でも一貫した安定動作を保証します。 

 

高精度なカラー検査アプリケーションに最適 
新しい5.1メガピクセルカメラは、クラス最高水準の色分離性能と画像精度を必要とするマシンビジョンタスクに理想的です。ディスプレイ検査、PCB/MLCC・電子部品検査、食品検査、印刷検査、医薬品の品質管理など、幅広い用途に対応します。 
 

充実の機能セット: 

  • 裏面照射型CMOSセンサ搭載 
  • ピクセルビニング (1x2, 2x1 or 2x2) 
  • シングル / マルチ ROI 
  • 自動レベル調整機能 
  • シーケンサ機能 
  • カメラ内部色空間変換機能 
  • チャネルごとに露光時間の調整が可能 
  • ホワイトバランス自動調整機能 
  • 色温度プリセット 
  • Gamma/LUT 機能  
  • 画素欠陥補正機能 
  • シェーディング補正機能 
  • 色強調機能 
  • ビデオプロセスバイパスモード 
  • パルスジェネレータ 
  • カウンタ機能 
  • RCT モード 
  • PoCXP (AP-5100T-CXPA モデルのみ) 

 
詳細情報: 

詳しくは、Apexシリーズの最新カタログまたは各モデルのデータシートをダウンロードしてご覧ください。 


なぜ次のカラー検査システムにApex 3-CMOSプリズムカメラを選ぶべきなのか? 

高精度なカラーイメージングを必要とするビジョンシステムの開発には、JAIApexシリーズが最適です。Apexシリーズのカメラは、プリズム分光式のイメージング技術により入射光を赤・緑・青の波長に分離し、ピクセル単位で位置合わせされた3個のCMOSセンサで個別に受光します。この先進的な方式は、従来のベイヤーモザイク方式のカラーカメラに比べ、格段に高い色忠実度と空間精度を実現します。 

プリズム分光式イメージング:トゥルーカラー表現 

カメラ内のプリズムが光を赤・緑・青の波長に分離し、高精度で位置合わせされた3個のCMOSセンサで個別に受光します。この3つの画像を統合することで、ピクセル単位でより正確な色再現と優れた空間精度を備えたRGB画像を生成します。ベイヤーモザイク方式の色補間に依存する従来のカラーカメラを大きく上回る性能を発揮します。 

 

 

ベイヤーモザイクイメージング:補間されたカラー 

ベイヤー方式では、各ピクセルが3原色のうちいずれか1色のみを取得するため、1つのピクセルで赤・緑・青すべての情報を完全に表現することはできません。 

そのため、フルカラー画像を生成するには、周囲のピクセルを参照して不足している色情報を補間する必要があります。この補間処理では、各ピクセルの赤・緑・青の値を推定することになりますが、その結果、プリズム方式カメラに比べて色精度および解像度が低下します。 

 

 

代表的なアプリケーション

 

ディスプレイ検査

RGBチャンネル分離により、赤・緑・青のサブピクセルを同時に検査し、輝度、均一性、不良ピクセルの検出を実現します。チャンネル間の漏れがないため、重大な測定誤差を回避できます。

 

電子部品・PCB検査

はんだ接合の健全性、シルク印刷の位置合わせ、部品の有無など、複数の検査を1回の工程で同時に実施可能。チャンネルごとに最適な照明を活用することで、スループットを大幅に向上させ、カメラ台数を削減しながらシステム設計を効率化し、省スペース化を実現します。

 

食品検査

プリズム方式による色分離により混色を排除し、果物、野菜、卵、肉における熟度や微細な欠陥色を高精度に判定可能。混合照明下でも安定した色識別を実現し、品質管理の信頼性を高めます。

 

医薬品品質管理

色混信を抑えた高精度撮像により、アンプル、カプセル、多層錠剤における真の色差を正確に分離。ベイヤセンサでは色にじみによって見逃されやすいコーティングのばらつきや異物混入を高精度に検出し、品質管理の確実性を大幅に向上させます。

 

半導体・ウェハ検査

最小限のスペクトルオーバーラップにより、ダークフィールド、ブライトフィールド、バックライトなど複数の照明方式や異なる波長を同時に使用しても波長間干渉が発生しません。その結果、ウェハや微細構造における欠陥をより詳細かつ効率的に検出することが可能になります。

 

印刷検査

インクの分離を高精度に解析し、ラスターオフセットの検出やレジスターマーク、カラーパッチの正確なサンプリングを実現。印刷品質と一貫性を確実に保証します。

 

自動車検査

純粋なRGBチャンネルを取得するプリズムセンサにより、周辺波長からの干渉を受けることなく塗装色やLEDの色を正確に測定可能。多様な照明条件下でも安定した結果を保証し、自動車検査の信頼性を高めます。