JAI初となる高速トライリニア式カラーラインスキャンカメラ「SW-4000TL-PMCL」がSweepシリーズのモデルとして発売中です。専用設計の4096画素トライリニアCMOSセンサを搭載し、非補間24ビットRGB出力における最大ラインレート66kHzを実現しました。
これまでJAIのプリズム分光式ラインスキャンカメラSweep+シリーズで提供していた極めて忠実な色再現性や感度、柔軟な画質調整。これらは多くの用途で求められる水準以上の極めて高いクオリティを提供してまいりました。一方、今回ご提供するトライリニア式の本カメラにより、装置設計者の皆様はさらにより幅広い用途へカラーラインスキャンカメラを適用いただけるようになります。JAIのトライリニア技術による高い基本性能に、これまでの一般的なトライリニア式の高速ラインスキャンカメラでは得られなかった数々の先進機能を融合。プリズム分光式を適用するほど高い性能を必要としない数多くの用途において、本カメラは新たに魅力的な選択肢となりました。
本カメラは1ラインあたり 3 (R, G, B) x 4096 ピクセルの解像度と最高で66kHzのラインレートを実現。高い基本性能に加えて、さらに以下のような幅広い機能を備えています。
色空間変換機能
本カメラ内には、色空間を変換して撮像した画像を出力する機能が備えられています。高度なカラーイメージングシステムでは、意図した機能が効率的に働くように、特定の色空間を利用することがあります。この場合、RGB形式だけでは不十分で、異なる色空間による色表現が必要となります。そこで本カメラは、sRGB, Adobe RGB, HSI, CIE XYZ の4つの色空間による色表現をサポートしています。加えて、ユーザー独自のカスタム色変換をプログラム(変換テーブルの定義)することも可能です。
水平および垂直ビニング機能
本カメラの標準の画素サイズは7.5μm x 7.5μm ですが、より高い感度を必要とされる場合には独自のビニング機能を利用いただくことができます。ビニング機能は水平ビニング(2 x 1)、垂直ビニング(1 x 2)、さらに水平・垂直ビニング(2 x 2)をサポート。読み出しに共有FD (floating diffusion) ノードを使用しており、読み出しノイズを最小限に抑えながら感度を劇的に向上させることができます。
ロータリーエンコーダ接続機能
本カメラではロータリーエンコーダからの信号をフレームグラバーを経由して受け取るのではなく、ロータリーエンコーダの出力をカメラへダイレクトに接続することが可能です。これにより、信号の劣化やデータの欠損を防ぎ、走査速度・走査方向の変化を安定して検出することができます。複数のカメラ構成を同期させるために、エンコーダ信号をある一台目のSW-4000TL-PMCLからもう一台のSW-4000TL-PMCLにデイジーチェーン接続することもできます。
色にじみ補正、傾き補正 と 空間補正機能
トライリニア方式のカメラでは、イメージセンサ内の3つのライン(R,G,B)が物理的に分離しています。この為、3つのライン間の光学的変動により、ハロー、カラーフリンジ、キーストーン効果といった様々な問題が発生してしまいます。これらの問題を回避すべくインテリジェントな補正機能が搭載されています。
その他の特長
優れた耐振動性・耐衝撃性:ベイヤー式1センサカメラと同等の、耐振動性で10G、耐衝撃性で80G といった非常に高い堅牢性を誇っています。加えて、動作温度(周辺温度)は-5℃~+45℃を誇り、様々な環境でご利用いただくことができます。様々な産業用途で高い信頼性を約束します。
特に有効な用途
本カメラはJAIのプリズム分光式ラインスキャンカメラ(Sweep+)に比べ、小型でコストパフォーマンスも高く、最高水準の色再現性を求めない場合は、以下のような非常に多くの用途で有効な選択肢です。