GigE - 万能なインタフェース

GigE_ethernet_interface-Image

2006年にリリースされたGigE(Gigabit Ethernet)Visionは、マシンビジョン業界でも長い歴史があり、JAIはこのテクノロジーを最初に採用した企業のひとつです。マシンビジョンに用いられるギガビットイーサネットは、GigE Vision規格に準拠しています。GigE接続を介して、さまざまなベンダーのハードウェアやソフトウェアをシームレスに相互運用することができます。

White-Paper_Icon_10-GigE-Technology-107x143px

10GigEテクノロジーガイド
10GBASE-T(10GigE)の詳細と、これからの高機能マシンビジョンシステムに必須となる10GigEおよびSFP+にどう対応していくべきかをQ&A形式で解説しています。

ダウンロードはこちら

柔軟性と高い費用対効果
GigEインタフェースは、最大100 mのケーブル長と、NICやネットワークスイッチ、ケーブルといったさまざまな市販のコンポーネントを使用してシステムを構成できるため、マシンビジョンに高い柔軟性を提供します。また、画像データを直接ホストPCに転送できるので、フレームグラバーは必要ありません。

JAIのいくつかのGigEカメラはPoE(Power Over Ethernet)に対応していますので、ケーブル接続をさらに簡素化することができます。標準コンポーネントで設置・運用をシンプルにできることは、手間やコストの軽減につながります。

ただし、ここで押さえておかなければならない重要なことがあります。ギガビットイーサネットはIEEE 802.3ab規格で125 Mbytes/sまたは100 Mbytes/sと定義されていますが、さまざまなヘッダ情報によって帯域幅の一部が占有されてしまうため、実際には画像データの送信でギガビットイーサネットの速度を十分に活用することはできません。画像データの送信に利用できるGigEの実効帯域幅は115 Mbytes/sになります。

自動化された生産ラインに組み込まれるマシンビジョンの多くは、複数のカメラをベースに運用されるため、柔軟性に優れたGigEが最も魅力的なインタフェースとして採用されるケースが増えています。GigE独自の機能にPTP(Precision Time Protocol)があります。PTPは、階層型のマスタースレーブアーキテクチャを介して、ネットワーク全体でクロックを同期させるための通信プロトコルです。JAIでは、PTPを標準装備したカメラをご用意しております。

帯域幅の要件に合わせて拡張可能
最新のCMOSイメージセンサの多くは、より高い解像度と、より高いビット深度による高ダイナミックレンジ、高フレームレートを実現しています。これらを個別に機能させるだけでもデータ量が多くなりますが、組み合わせて機能させる場合は特に、同時に転送されるデータ量が多くなるため、データ転送に使用できる帯域幅への需要が増加します。そのため、現在いくつかのJAIカメラでは、10GigEインタフェースが装備されています。

全体的な帯域幅に対する需要の高まりに対して、GigEは新たな発展を続けています。伝送ネットワークとしては、1 Gbit/s~100 Gbit/sまたは400 Gbit/sが一般的なEthernetの速度範囲です。マシンビジョンのインタフェースとしては、依然としてほとんどのカメラで従来からの1000BASE-Tが採用され、1 Gbit/sの速度で運用されています。とはいえ、NBASE-T(2.5 Gbit/s、5 Gbit/s)や10GBASE-T(10 Gbit/s)といった、より高速なインタフェースを搭載しているモデルも増えています。

いくつかの新しいJAIカメラでは、ネットワーク環境やホストPCに応じて自動的に速度を切り替えるオートネゴシエーション機能を備えた10GigEインターフェイス(10GBASE-T)を搭載しています。利用可能な帯域幅に合わせて、最大10 Gbit/sから5 Gbit/sや2.5 Gbit/sに速度調整できるので、低速なイーサネット規格で動作する装置用途にも対応可能です。

さらに、一部のモデルではSFP+ケージを備えていますので、従来の銅ケーブルの代わりに光ファイバ接続を利用することもできます。ただし、SFP+インタフェースを組み合わせた10GigEインタフェースを搭載しているカメラでは、オートネゴシエーション機能を備えていないため、10 Gbit/sの速度が出せる帯域幅が必要になります。光ファイバケーブルを使用する利点としては、最大ケーブル長が10 kmという長距離伝送が可能なことと、銅ケーブルとは異なり電磁干渉の影響を受けないことが挙げられます。例えば、製紙業界のアプリケーションでは、長距離ケーブルが一般的な要件となっています。

主な性能

  1 GigE (1000BASE-T) NBASE-T
(2.5GBASE-T)
NBASE-T
(5GBASE-T)
10 GigE
(10GBASE-T)
SFP+インタフェースを介した10GigE(10GBASE-R)
最大スループット: 1 Gbit/s 2.5 Gbit/s 5 Gbit/s 10 Gbit/s 10 Gbit/s
実効スループット: 115 MB/s 287.5 MB/s 575 MB/s 1150 MB/s 1150 MB/s
最大ケーブル長: 100 M
(Copper)
(銅ケーブル)
100 M
(Copper)
(銅ケーブル)
100 M
(Copper)
(銅ケーブル)
100 M
(Copper)
(銅ケーブル)
10 KM
(Optical fiber)
(光ファイバケーブル)



  1 GigE
(1000BASE-T)
10 GigE
(10GBASE-T)
1000BASE-T、2.5GBASE-T、5GBASE-Tへのオートネゴシエーションが可能
SFP+インタフェースを介した10 GigE
(10GBASE-R)
Go Series
コンパクトで高速。先進のセンサ技術を搭載した汎用エリアスキャンカメラです。
   
Spark Series
高解像度、高フレームレート、高画質を実現する高性能エリアスキャンカメラです。
   
Apex Series
卓越した色再現性と空間分解能を誇る3CMOSプリズム分光式カラーエリアスキャンカメラです。
 
Fusion Series
可視領域と近赤外領域(NIR)で複数のスペクトル・バンドを同時に撮像できる多板式エリアスキャンカメラです。
 
Sweep Series
トライリニア式カラーラインスキャンカメラです。
Sweep+ Series
マルチセンサ・プリズム分光式カラー/NIRラインスキャンカメラです。

 

White-Paper_Icon_10-GigE-Technology-107x143px 10GigEテクノロジーガイド
10GBASE-T(10GigE)の詳細と、これからの高機能マシンビジョンシステムに必須となる10GigEおよびSFP+にどう対応していくべきかをQ&A形式で解説しています。

ダウンロードはこちら


お気軽にJAIまでお問い合わせください。
医療・ライフサイエンス向けアプリケーションに求められる要件を満たす最適なカメラを見つけるため、JAIがお手伝いいたします。
お問い合わせはこちら