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3-CMOSおよび4-CMOSを搭載したプリズムベースのカラー/NIRラインスキャンカメラに10GigE Visionインタフェースを備えた新機種がラインナップ

作成者: JAI|3月 13, 2019

JAIは、Sweep+シリーズに2つの新しいプリズムベースの工業用カラー/近赤外ラインスキャンカメラ「SW-4000T-10GE」と「SW-4000Q-10GE」の2機種を発売します。

Sweep SW-4000T-10GERGB/3板式)
Sweep+ SW-4000T-10GEは、3つのCMOSセンサを搭載し、出力インタフェースに超高速の10GBASE-T GigE Visionインタフェースを採用したプリズムベースのカラーラインスキャンカメラです。この出力インタフェースは若干低速ですが汎用性があって柔軟なネットワーク環境を構築する際には外すことのできないイーサネットによるN-BASE-Tおよび1000BASE-Tへの下位互換性が確保されています。

このカメラは、1ラインにつき最大4096ピクセル(4k)の解像度を持ち、最大ラインレート97kHz(毎秒97,000ライン)によってRGBで出力します。10GBASE-Tインタフェースと組み合わせることでYUVによるカラー信号の場合は最大145kHzで出力できます。ROI(Region-of-Interest)によってセンサの使用領域を限定することによって、ラインレートをさらに上げることも可能で、使用領域を2112画素に設定した場合、スキャン速度は最大で毎秒183,400ラインまで超高速化することができます。

3-CMOSカラーラインスキャン技術と10GBASE-T(10Gbit/s)インタフェースの組み合わせにより、プリズムを使用したRGBカラーラインスキャンカメラとしてはSW-4000T-10GEが世界最速のスキャンレートを持つカメラとなりました。

 

Sweep SW-4000Q-10GERGBNIR/4板式)
Sweep+ SW-4000Q-10GEは、赤、緑、青、そして近赤外スペクトル波長帯を同時にキャプチャするためにプリズムで4つに分光し、CMOSセンサも4枚搭載しています。NIRチャンネルを通して、近赤外線領域でも高い色精度を持ち、マルチスペクトルの同時分析を可能にしています。

SW-4000T-10GEと同時発売されるのはSW-4000Q-10GEです。1ラインにつき4096ピクセル(4K)の解像度を有するラインセンサを4枚搭載し、RGBNIRチャネルの信号を出力できます。10GBASE-Tインタフェースとの組み合わせで、デュアル10GigEストリームを使用した場合には最大72kHz(毎秒72,000ライン)で出力します。デュアルストリームの構成としては、1チャンネルあたり8ビットもしくは10ビットのどちらの出力もサポートしています。

SW-4000Q-10GEは、RGBa8フォーマットを用いることで、NIRデータをアルファチャンネル経由で出力させるシングルストリームの出力もサポートしています。この構成では、1チャンネルあたり8ビット出力の場合に、最大ラインレートを73kHzで動作させることができます。またフル解像度の4Kならばで最大74kHzまで対応可能です。さらに第1ストリームで8ビットのYUVカラー信号、第2ストリームで8ビットまたは10ビットのNIR信号に分けて出力させることもできます。

SW-4000T-10GEとSW-4000Q-10GEのどちらにも使用されているJAIのプリズム技術と信号処理によって、傾斜ビューの補正、空間補正、円筒形の撮像対象をキャプチャする際の3次元オフセットなど、トライリニア式カラーラインスキャンカメラが潜在的に内包する問題はすべて解消されています。

 

プリズム分光式技術の詳細については、ぜひホワイトペーパーを参考にしてください。

 

低速から高速まで、あらゆる速度に互換性を持つ10GigEインタフェース:
インテリジェントなオートネゴシエーション技術により、本カメラは、5GBASE-T, 2.5GBASE-Tや従来の1000BASE-Tに自動的に切り替える互換性を提供。低速なイーサネット規格で動作する装置用途にも対応可能です。複数のイーサネット構成をカバーしている本カメラは、検査方法にカラーラインスキャン技術が適用されている、低速から高速までのあらゆる速度で動作する装置用途に対応できるよう設計されています。

本カメラが特に有効な用途:


高速印刷検査、紙幣検査


ボトルや缶などの円筒容器の検査


食品の選別(野菜、オリーブ、果物、茶葉など)

廃棄物の選別(色付きプラスチックやガラスなど)


金属板検査、コインロール検査


粒状の物質の検査

ユーザー設定可能なピクセルサイズ、最大限に柔軟性を高める垂直・水平ビニング機能:
本カメラでは、ユーザーが選択可能な2つの画素サイズモードを用意しています。7.5×7.5 µm(Mode A)は、素早い応答性が要求される用途に適しています。一方7.5×10.5 µm(Mode B)は、光量が多い環境や低速のラインレートで動作させる場合に、より高いダイナミックレンジとS/N比を提供します。

本カメラのセンサは、2画素の水平ビニングに対応しているだけでなく、各チャンネルに対して垂直方向(移動方向)に2ラインを与え、1×2、2×1、2×2のビニングをサポートしています。これにより、合計で8つの異なるピクセルサイズの設定が可能となり、柔軟性を最大限に高めます。

色空間変換機能をカメラ本体に内蔵:
高度なカラー画像処理システムでは、多くの場合、意図する機能を効率的に実行するために、特定のカラー表現が要求されます。RGB値から別の表現(色空間)に変換する機能が必須となります。

本カメラは、RGB標準形式からsRGB、Adobe RGB、HSI、CIE XYZに変換可能なプログラマブル色空間変換機能を内蔵。加えて、ユーザー設定可能な独自の色変換プログラム(変換テーブルの定義)を使用したカスタムRGB出力にも対応しています。この色空間オプションは、JAIの4Kラインスキャンカメラだけに搭載されている機能です。

PTP(Precision Time Protocol):
PTPは、コンピュータネットワーク全体でクロックを同期させるために使用される通信プロトコルです。本カメラのPTP機能を使用することで、リンクされているすべてのカメラで同時に撮像を実行できます。すべての画像で同期がとられ、タイムスタンプが共有されるため、画像の解析が容易になります。

カメラとロータリーエンコーダを直接接続:
本カメラは個別に4つの入力ラインと制御アルゴリズムを持っており、ロータリーエンコーダと直接接続することができます。ソフトウェア制御ツールを使って、入力とカメラ-ロータリーエンコーダ間の同期関係を容易に定義できるなど、設置や運用の手間も軽減する機能も搭載しています。

その他の機能:
高い信頼性と高画質を誇るJAIのカメラと同様に、ほかにも数多くの機能を搭載しています。

  • アナログおよびデジタルのゲイン調整機能
  • より速いスキャンレートを実現するROI機能
  • 黒レベル補正
  • マニュアル/ワンプッシュ/自動ホワイトバランス調整
  • マルチ色温度プリセット
  • PRNU/DSNU補正
  • シェーディング補正
  • 色収差補正
  • ラインカウンタ/タイムスタンプ/CRC情報を挿入
  • 水平方向の画像をミラーリング
  • さまざまなトリガモード
  • 耐衝撃(50G)、耐振動(10G)という産業用グレードの堅牢性

さらに詳しく知りたいときは…
Sweep+ SW-4000T-10GEカラーラインスキャンカメラのデータシートを用意しております。こちらのページからダウンロードしてください。

Sweep+ SW-4000Q-10GEカラーラインスキャンカメラのデータシートを用意しております。こちらのページからダウンロードしてください。

3CMOS(R・G・B)および4CMOS(R・G・B・NIR)技術を搭載したその他のJAI Sweep+カラーラインスキャンカメラの詳細については、こちらのページをご覧ください。

プリズムラインスキャン技術の詳細については、ぜひホワイトペーパーを参考にしてください。