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RGB・短波長赤外線を同時・個別に撮像する、JAI 新型ラインスキャンカメラ

作成者: JAI|12月 2, 2022

JAIは新しい産業用プリズムベースラインスキャンカメラを発表します。新機種(SW-4010Q-MCL)は 4センサ・ラインスキャン技術を採用しており、R・G・Bの3つのCMOSセンサと、InGaAs(インジウム/ガリウム/ヒ素)技術で短波長赤外線(SWIR)を捉える4番目のセンサで、同時に画像データを収集します。

SW-4010Q-MCLは、JAIの3-CMOS R-G-Bおよび4-CMOS R-G-B-NIRラインスキャンカメラ「Sweep+シリーズ」に新たに加わった、短波長赤外線(SWIR)のマルチスペクトルイメージングに対応した新モデルです。

4センサカメラ「Sweep+」のメリット:
求められる品質を確保するために可視光と短波長赤外線(SWIR)の両方による撮影が必要なマシンビジョンシステムにおいて、SW-4010Q-MCLカメラは1度の検査ルーチンで可視光/短波長赤外線(SWIR)の画像を提供します。

CMOSとInGaAsのイメージセンサをひとつの産業用カメラに搭載することにより、3つのCMOSセンサで可視光(400~700nm)の画像データを、InGaAsセンサで800nm~1700nm短波長赤外線の画像データを取得する高度なカラー検査が可能になりました。

3つのCMOSラインセンサはそれぞれ、解像度4096ピクセル、画素サイズ7.5μm×7.5μm、センサ幅30.72mm、フル解像度時の最大スキャンレート20.6kHzです。一方、InGaAsラインセンサは、解像度1024ピクセル、25μm角の画素、センサ幅25.6mm、フル解像度スキャンレート39kHzとなっています。

Xscale機能は、2つのセンサタイプ間の視野(FOV)とスキャンレートを調和させるために適用できます:
JAIの画素スケーリング機能(Xscale)により、可視チャネルの解像度を2048ピクセル(12.5μmピクセル)または1024ピクセル(25μmピクセル)に自動的にスケーリングして、4つのセンサを同じFOV(ライン幅25.6mm)・同じスキャンレート(39kHz)に設定することできます。

マシンビジョンシステムをより良くするための、より便利な機能です:
標準RGBから、sRGBやAdobe RGBの色空間、さらにはユーザー定義のカスタムRGB変換マトリックスに変換できる色変換機能を搭載し、必要に応じてHSIやCIE XYZのカラーフォーマットで出力することが可能です。

その他、4チャネルごとの個別ゲインおよびシャッタコ ントロール、RGBとSWIRを別々のデータストリームで出力するデュアルストリームデータ出力、トリガおよびエンコーダコントロール、ノイズ低減フィルタなども備えています。

可視光とSWIRの両方に対応する専用レンズ:
また、JAIは可視光とSWIRの両方に最適化した専用レンズ(別売)をご用意しています。カメラにはデュアルMini Camera LinkインターフェースとM52レンズマウントを採用しています。

Sweep+シリーズ R-G-B-SWIRカメラが適しているアプリケーション

野菜・果物の検査:

野菜や果物の色、熟度、傷み、皮下の腐敗の兆候、異物(石、金属片など)を同時に検出します。

半導体・ウェハー検査:
半導体産業において、シリコンウェハーはSWIR波長域で高い分光透過率を持つため、検査装置を用いて表面や裏面の欠陥を検出します。

医薬品検査:
パッケージの色刷りや完成度を見る外観検査と同時に、不透明なプラスチックパッケージや容器越しに内容物の量や充填量を確認します。
バッテリー検査:
バッテリーの安全性とエネルギー密度を保ち、早期劣化を防ぐために、欠陥はあってはならないものです。ラインスキャンカメラは、電極シートの傷、へこみ、くぼみ、異物、気泡、穴などの欠陥の確認に使用できます。

その他のアプリケーション:
その他、カラータイルや織物などの製造に付随する各種ウェブ検査(染色された織物の乾燥状態の確認)などに応用されています。

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